原状回復

原状回復の基準「東京ルール」

東京都における敷金精算の「東京ルール」とは2004年(平成16年)10月1日に施行の東京都都市整備局によって制定された、「賃貸住宅紛争防止条例(東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例)」を指します。敷金によるトラブルが増加、入居中の修繕、退去時の原状回復についてのガイドラインを設けています。

【東京ルールに記載する主な内容】

①退去時の通常損耗等の復旧は、貸主が行うことが基本であること。

②入居期間中の必要な修繕は、貸主が行うことが基本であること。

③賃貸借契約の中で取り決められている、借主の負担としている具体的な事項。

④修繕及び維持管理等に関する連絡先。

この条例は、住宅の賃貸借に係る紛争を防止するため、退去後の原状回復に関する民法などの法律上の原則や判例により定着した考え方を宅地建物取引業者が説明することを義務付けたものです。東京ルールが出来る前は、敷金の精算がうやむやに行われている事が多かったですが、今では東京ルールにのっとり精算をするようになってきました。また、この条例は入居者保護の為制定されており、借主側に寄ったものでありますので、ルールをよく理解した上で、上手に精算できるノウハウが無いと賃貸経営を圧迫することになってしまいます。

原状回復時の貸主と借主の負担割合

経年劣化・自然損耗・通常の使用による住宅の損耗等の原状回復費用は貸主負担となりますが、故意や過失によるものは借主負担になります。その中で貸主負担と借主負担を項目ごとに分けてご紹介します。

●フローリング:補修可能な場合は修理代を借主が負担します。貼り替えの場合は、建物の耐用年数を用いて、経過年数分を経年劣化分として貸主負担とし按分計算します。
耐用年数:木造22年
軽量鉄骨造(骨格材3mm以下)19年
軽量鉄骨造(骨格材3mm超4mm以下)19年
重量鉄骨造34年
RC造47年

例)木造住宅 築5年で退去 フローリング工事費22万円
22万円(フローリング修理代)÷22年(耐用年数)×5年(経年劣化分)=5万円(大家さん負担分)

●ハウスクリーニング:掃除しないで退去した場合は借主負担ですが、借主がしっかりと清掃を実施している場合は貸主負担。しかし、契約書の特約に退去時のハウスクリーニング代は借主負担と記載されていれば、借主の負担が認められますので必ず入れて下さい。

●壁のクロス:テレビや冷蔵庫の後部壁面の黒ずみ(電気やけ)は、通常の使用によって損耗する為、貸主負担。通常の使用を超える範囲の汚れや傷については借主負担となりますが、クロスは6年間を耐用年数として負担割合を決めて精算します。

例)2年居住してクロス貼替えの場合 クロス代3万円
3万円(クロス貼替え代)÷6年(耐用年数)×2年(経年劣化分)=1万円(大家さん負担分)
また、クロスの貼替をする場合、小さな汚れであっても部分補修は色の違いが出てしまうので難しく、壁面単位で補修をします。

●タバコの汚損:原則借主負担になりますが、クロスは耐用年数を考慮して精算となります。

●設備故障:借主の過失でない限り、貸主負担で修理又は交換となります。(エアコン、給湯器、キッチン、ユニットバス等)
原状回復の負担区別の種類は沢山ありますので「東京ルール」ではカバーしきれません。したがって、敷金精算をする際は東京ルールを参考にして、それぞれの状況に応じて結局は人の判断になります。対応する人(会社)の経験値や能力によって『円満解決』か『揉め事』かに分かれてしいますので、信頼できる人(会社)にご依頼するようにして下さい。

原状回復の対応策

  • 対応策①:「東京ルール」が借主に寄った条例である事を理解した上で上手に対応する。
  • 対応策②:賃貸契約書の特約に原状回復をリスクヘッジする文言を記載する
  • 対応策③:原状回復は、極力安くなる方法や業者を選ぶ