現在の「賃貸市場」を一言で言えば「供給過剰」

質問

【質問】賃貸市場の現状を教えてください。

【回答】現在の「賃貸市場」を一言で言えば「供給過剰」ということです。その原因を整理すると、下記のようになります。

①バブル期(昭和60年から平成2年頃)に既に多数の賃貸住宅が供給されたこと。

②政府は、バブル経済を鎮静化させるために、市街化区域内の農地について、かねてより宅地化を推進して来ましたが、平成3年、生産緑地法を改正し、併せて税制改革を断行して、平成4年度以降の三大都市圏の196の特定都市の農地には、「宅地並み課税」を導入しました。

この結果、農家は、一般宅地並に税金がかかる「宅地化する農地」か、税制面のメリットはあるものの30年間は転用できない「保全する農地」の選択を迫られたわけで、結局、対象面積の70パーセントが宅地化する農地となったわけです。

しかしながら、いま現在も、税金の特例借置もあったため50%程度しか宅地化されておらず、今後も賃貸住宅の供給圧力は変わらないこと。

③法人の海外転出により、いわゆる日本経済の空洞化が進み、企業、工場地、社宅敷地の需要が減少している反面、広大な工場跡地が住宅用地として供給されつつあること。

④日本の人口構造の変化が進んで少子化の傾向にあり、また、一部の地域について東京都心部については見られるものの、今後も大幅な需要の拡大が望めないこと、等の事情があります。

以上の経済状況を反映して空室率も増加し、需要関係が借主優位となった結果、従来問題とならなかった「賃料・敷金の減額」、「礼金撤廃」、「原状回復特約、修繕義務特約等借主にとって不利な特約に対するクレーム増加」等の諸問題が発生している状況です。

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著者名:石川 和寿

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